小児矯正
早期受診をお勧めしています
「子どもの矯正治療はいつごろ始めるのが最適ですか？」という質問をよくいただきますが、すべての患者さまについて「この時期です」という明確な答えはありません。「何歳ごろが適している」というものも、一般的な平均の年齢であって、子供の歯の生え替わりの時期がおひとりずつそれぞれ違うように、さまざまな要因で最適な矯正時期というのは変わってきます。
反対に言いますと、最適な矯正時期があったとしても気づかないうちにその時期を過ぎてしまうこともありえます。 まずは早い段階で一度お口の状態を確認させていただき、最適な矯正時期や最適な方法についてご提案させていただければと思います。 早い段階でお口の中を確認し、適切な検査・診断をすることで、将来に渡ってお口の中がどのように成長して変化していくかを予測することが可能です。もし、適切な形で成長できると予測することができれば、歯科矯正の必要はなくなりますし、もう少し経過を観察してから治療を行いましょうという判断の場合もあります。
矯正の相談に行くというのは、必ず矯正治療を行うということではありません。特にお子さまの場合は、「お口の中の成長が適切かどうかを聞きに行く」といったお気軽な気持ちで訪問いただければと思います。 当院ではご相談については無料で対応させていただいております。
ふたつの段階で効果的に行う小児矯正
子どもの矯正治療はふたつの段階に分けて行っていきます。 前半の治療のことをI期治療といい、後半の治療のことをII期治療といいます（Ⅰ期治療で歯並びを整え終わり、Ⅱ期治療を必要としないケースもあります）。 矯正をスタートするときに、ある程度の年齢に達している場合は、成人の矯正とほぼ同じ行程となり、I期治療をせずにII期治療から開始したほうがよいと判断される場合もあります。
Ⅰ期治療＝顎の成長を利用した矯正治療
Ⅰ期治療ではアゴのズレやアゴの幅を補正し、永久歯が適切に生えてくるためのスペースを確保することを行います。これによって、歯が並ぶスペースを正しく確保し、歯並びが悪くなることを防ぎます。 たとえば、3人掛けのイスに4人で座ろうとしているような状態が、歯並びが崩れる原因です。
適切なスペースを確保することでこのイスの状態を整えて、歯並びが悪くなることを防ぐことができます。 アゴを補正するための装置にはさまざまなものがあります。お子さまの状態に合わせて最適なものを提案させていただいています。
Ⅱ期治療
Ⅰ期治療を行ってアゴの骨の補正が完了しても、生えてくる歯そのものがでこぼこな状態になりながら生えてきたり、歯が回転して生えていたり、上下の噛み合わせが良くなかったりすることがあります。その場合には、II期治療を行います。矯正装置は成人矯正で一般的に使用されているワイヤーやブラケットを用います。ワイヤーやブラケットは金属色で目立つイメージがありますが、当院では目立たない装置を主に利用していますのでご安心ください。
矯正治療をはじめよう！治療の流れ
無料カウンセリングでご要望をお伝えください
まずはご両親やお子さんのご希望をお伺いすることからスタートします。歯並びについて不安な点や、治療についてのご不明な点がありましたら、些細なことでもお気軽にご質問ください。
精密検査を行い、治療計画を作成します
アゴの骨の成長のバランスや位置、すでに生えている歯やこれから生える歯の状態を詳しく確認するためにレントゲン写真を撮影します。さらに多方面からの検証が行えるように、歯型を取り、顔やお口の写真を撮影し、アゴの動きも検査いたします。
その後、検査の結果を踏まえて実施する歯科矯正の内容、その方法のメリット・デメリット、治療期間や治療費用などについてご説明させていただきます。 この際も、少しでも疑問点がございましたらお気軽にお尋ねください。もちろん、この段階で矯正治療を受けないという選択をしていただいてもまったく構いません。
矯正中は特に気をつけて、歯みがきレッスン
矯正治療中は虫歯にかかるリスクが増えてしまいます。もしそこで虫歯になってしまうと、矯正治療を中断して虫歯の治療を行う必要が出てきてしまうため、その分だけ治療期間や必要な治療費が増えてしまいます。そういったことを防ぐため、正しく歯ブラシができるように歯磨き指導（TBI）を行っています。正しい歯磨きができるというのは、矯正治療ではとても大切なことです。
実際の治療をスタートします
実際に矯正装置を装着し、矯正をスタートします。この後は定期的に来院いただき、ワイヤーの交換や矯正装置の調整をしながら歯を正しい方向へと動かして行きます。虫歯のチェックも同時に行い、必要に応じて歯磨きの練習や歯のクリーニングを行います。
経過観察を含めた咬合管理
永久歯がすべて生えてくるまで、噛み合わせをチェックしていきます
治療完了です
長い治療だからこそ、楽しみながら通院していただけるように
矯正治療は虫歯の治療とは異なり、長い期間、何度も通院してもらいながら少しずつ行う治療です。途中で通うのがイヤになったり、面倒くさいと感じてしまっては治療の苦痛が増えてしまいます。なるべく楽しく快適に治療を続けてもらうために必要なのは、ドクター、スタッフと実際に治療を受けているお子さまとの信頼関係であると当院は考えています。
信頼関係がきちんと築けるように、私達は誠意を持って「関わる」ことを大切にしています。たくさんのコミュニケーションを取り、親身になって寄り添い、そして、ウソをつかないこと。いずれも当たり前のことではありますが、当院ではその当たり前のことを大切にしています。
また、お子様に来院を楽しみにしていただくために、キッズルームも完備しています。遊びに行くような楽しい気持ちで治療を受けていただければと思います。
キッズルームで楽しく・安心
キッズルームは受付から見える位置にありますので、ご両親が治療の場合でも、安心してお子さまだけで遊んでいただくことができます。
子供のうちに矯正治療をしておけば、たくさんのメリットがあります
大人の矯正と子供の矯正は根本的な部分から大きく違います。大人はアゴの骨と歯並びがすでに完成している状態からの治療になるため、アゴと歯並びの調整が大きく、歯科矯正だけで対応できないときはアゴの位置を改善するための外科手術が必要なこともあります。
でも、全身が成長段階にある子供の場合はそうではありません。どの成長段階にあるのかを適切に見極めて、正しい方向へと導いてあげるだけで、無理なく治療を進めていくことができます。この、「成長していく」という力を利用できるのは子供時代だけです。
この貴重なタイミングをどのように過ごすかで、将来が大きく変わっていきます。 それでは、子供の時期に矯正治療を開始することのメリットをご紹介します。ぜひ一度、お気軽にご相談ください。
歯を抜かずに矯正できる可能性が高いです
大人の歯科矯正では歯を抜いてアゴの中へ歯並びを整えるためのスペースを確保する治療が多いですが、子供の場合はまだアゴの骨が柔らかく、柔軟に拡げることができるので歯を抜かなくてもきちんとスペースを確保することができます。仕上げの治療（Ⅱ期治療）が必要になった場合であっても、歯を抜かずに治療できる可能性が高くなります。
コンプレックスから解放されて充実した時間を過ごせます
大人よりも子供の方が「見た目」については敏感です。特に多感な思春期に入ると、自分の見た目と他人の見た目の違いを大きく意識するようになり、歯並びや口元についても理想の形をイメージして、コンプレックスを持ってしまうことがあります。
コンプレックスを抱えたままでは、毎日の生活が楽しくないばかりか、集中力を持続することができず、さまざまな弊害を招いてしまいます。矯正治療によって早期にコンプレックスを改善させることができれば、充実した時間を過ごすことができるようになります。
顔全体のバランスを整えることができます
一般の方が思われている以上に、歯並びと顔全体の形の関係性は高いです。歯並びを改善させることで、全体のバランスを整えて、いわゆる「かっこいい」「キレイ」な顔立ちへの誘導が可能になります。
虫歯や歯肉炎を予防できます
乳歯が抜けた後に生えてくる永久歯は、それまで生えていた乳歯よりもサイズが大きく生えてくるため、デコボコとした均一ではない歯並びになりがちです。この状態の時は適切に歯みがきをするのが難しく、虫歯や歯肉炎のリスクが高まります。
また、生えてきたばかりの永久歯は成人の永久歯に比べると「堅さ」が十分ではないので、虫歯になりやすいです。歯並びを改善して歯磨きがしやすい環境を作ることで、虫歯や歯肉炎の予防につながります。
ご注意ください。日々の習慣が歯並びを悪くすることもあります
お子様のお口・顔を観察していただき、下記のような状態がある場合は「歯並びの異常を知らせるサイン」ですので、一度ご相談いただければと思います。
- 乳歯と乳歯の間に隙間がなく密着している
- 話し方がおかしい、舌の動かし方が悪く見える
- 鼻ではなく、口からの呼吸が多い
- 顔を正面から見たときに左右のバランスが違う
子供は自分の意思を伝えることが上手ではありません。噛み合わせがおかしいときでも、子供はそれが普通だと思い込んでしまいます。ご両親がしっかりと観察し、適切な歯科医院にかかることでその後の一生に関わる問題を早い段階から治していくことができます。
